凝集性質電卓(沸点上昇・凝固点降下・浸透圧)

溶質の質量・モル質量・van’t Hoff 係数と溶媒データから、沸点上昇 ΔTb・凝固点降下 ΔTf・浸透圧 π を計算し、実験で測った ΔTb・ΔTf・π から未知モル質量も求められる化学電卓です。

溶質の質量・モル質量・van’t Hoff 係数と溶媒データから、沸点上昇 ΔTb・凝固点降下 ΔTf・浸透圧 π を一度に計算し、URL で共有できるツールです。

化学 · 溶液

沸点上昇・凝固点降下・浸透圧をまとめて計算

初期値として「水 + 非電解質」の例を用意してあり、質量モル濃度 m から ΔTb・ΔTf・π までの流れをそのまま確認できます。モードを切り替えると、実験で測定した ΔTb・ΔTf・π から未知モル質量 M を逆算する問題にも対応できます。たとえば同じ m = 1.0 mol/kg で、非電解質(i = 1)と理想的な NaCl 水溶液(i ≈ 2)を比べると、溶質粒子数が 2 倍になると ΔTb・ΔTf・π もほぼ 2 倍になることが体験できます。

使い方(3 ステップ)

  1. まず「性質計算モード」か「モル質量決定モード」を選びます。
  2. 溶媒をプルダウンから選び(または任意に入力し)、溶質の質量・モル質量・i、溶媒の質量、必要なら体積と温度を入力します。
  3. 下部の結果ブロックで mol 数・質量モル濃度 m・ΔTb・ΔTf・π・推定モル質量 M と、計算手順の説明を確認し、「URL をコピー」で条件付きリンクを共有します。

この電卓の計算はすべてブラウザ内で行われ、入力値や結果がサーバーに送信されることはありません。

入力

質量は g、体積は L、温度は K(ケルビン)で入力してください。初期設定の水の例は m = 1.0 mol/kg(1.0 m)の非電解質水溶液に対応しています。

代表的な例をすぐに試す:

プリセットを選ぶと Kb・Kf・純溶媒の沸点・凝固点が自動入力されます。数値は上書きして調整できます。

非電解質なら i = 1、NaCl のように理想的に 2 粒子に解離する場合は i ≈ 2 とします。

結果

モード: 性質計算モード(ΔTb・ΔTf・π)

利用したデータ: 沸点上昇 ΔTb から求める

下のサマリーでは、溶質の mol 数・質量モル濃度 m・沸点上昇 ΔTb・凝固点降下 ΔTf・浸透圧 π、およびモル質量決定モードでは推定モル質量 M をまとめて確認できます。

計算の流れ

  1. ここに計算手順が表示されます。

式(LaTeX 形式)

授業プリントやスライドに貼り付けるための LaTeX 形式の式です。この電卓で用いている符号・単位系と揃えています。

よくある質問

凝集性質とは何ですか?

凝集性質(colligative properties)は、溶質の種類よりも「溶液中の粒子数」に主に依存する性質のことです。代表例として、沸点上昇・凝固点降下・蒸気圧降下・浸透圧が挙げられます。このツールでは、教科書でよく扱う ΔTb・ΔTf・π に絞って、希薄で理想的な 1 種類の溶質 + 1 種類の溶媒を前提に ΔTb = i Kb m、ΔTf = i Kf m、π = i c R T の関係式で計算します。

電解質(NaCl など)にも使えますか?

はい、van’t Hoff 係数 i を適切に設定すれば利用できます。例えば理想的に 2 粒子に解離する NaCl なら i ≈ 2、CaCl₂ なら i ≈ 3 とします。濃度が高い溶液や強く非理想的な系では、この単純な i のモデルは近似にとどまることに注意してください。

質量モル濃度 m とモル濃度 c の違いは?

質量モル濃度 m は「溶媒 1 kg あたりの溶質 mol 数(mol/kg)」、モル濃度 c は「溶液 1 L あたりの溶質 mol 数(mol/L)」です。この電卓では、ΔTb・ΔTf を求めるときは m を使い(Kb・Kf と組み合わせます)、浸透圧 π を求めるときは c と温度 T を使います。そのため、基本的には溶質と溶媒の質量を g で入力し、π を知りたいときだけ溶液体積(L)と温度(K)を追加で入力します。

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